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      科学技術情報誌 「テクノカレント」 のご紹介       
        〜米国の宇宙輸送政策はどこへ向かうのか〜
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 ●石井威望のエッセイ
   NASAの宇宙開発計画は、独走態勢に入ったようにみえていたが、スペ 
  ースシャトルの度重なる事故により当初の戦略目標の変更が迫られてい 
  る。最近の状況について、今号執筆者、文部科学省科学技術・学術政策 
  局の田中正朗基盤政策課長によれば、意外の感が強いが、スペースシャ 
  トルの2010年引退後、アメリカが自前の有人宇宙輸送システムを持たな 
  い期間ができる。
   後続のシステム開発までの空白の期間を極力短縮するために、政府( 
  NASAおよび国防省)が民間と協力しながら危機を打開する方策を探って 
  いる。もちろん純民間で新しい試みも出現しており、それらと全体との 
  折り合いがどのようになるのかが注目されている。

 ●今回のポイント
  1.安全保障と産業化のための宇宙輸送システム
    宇宙空間へ人工衛星や人間を運搬したり、逆に地上へそれらを回収 
   する能力としての宇宙輸送システム。通常その目的は安全保障、産業 
   化の推進、という二つの観点から大別され、またその鍵を握る特質は 
   打ち上げ能力、コスト、信頼性、の三つである。米国では、技術停滞、
   国際競争力喪失といった危機打開のために1994年、「国家宇宙輸送政 
   策」が制定されたが、有効には機能せず、その後も計画の挫折が続い 
   ていた。

  2.EELVの改良・増強か、それともスペース・シャトルの派生型か
    有人探査再開への動き、商業打ち上げ市場の沈滞、ベンチャー企業 
   への期待などを背景に2005年12月、旧来の「国家宇宙輸送政策」の改 
   定が大統領によって承認された。この新政策は、スペース・シャトル 
   を新たな有人システムCEV をもって代替することを骨子とするが、そ 
   の開発をめぐっては現行の使い捨てロケットEELVの改良・増強に基礎 
   を置く方向(国防省)とスペース・シャトルの派生型を想定する方向 
   (NASA)とで対立も生じている。一方、EELV計画に参加している既成 
   大企業はコスト面の厳しさへの対応として合弁会社を設立することと 
   なった。

  3.商業市場での拡大も臨まれる即応可能な打ち上げ機
    新政策は国防高等研究計画局と空軍による計画に即して、極超音速 
   機による軍事作戦のための即応可能な打ち上げ機の開発も打ち出して 
   いる。ベンチャー企業も多く参加しているこの分野は、低コストと機 
   動性という利点により、将来的には商業市場での拡大も有望である。

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